【令和6年度】遠隔臨場に適したウェアラブルカメラとは?
遠隔臨場による工事検査とは
遠隔臨場による工事検査とは、動画撮影用のカメラ(ウェアラブルカメラ、360度カメラ等)によって取得した映像と音声を利用し、遠隔地からWeb会議システム等を介して完成検査・既済部分検査・完済部分検査・中間技術検査における工事実施状況、出来形、品質と出来ばえの各検査を行うことを言います。
完成検査 | 工事の完了を確認するための検査 |
中間技術検査 | 発注者が必要と判断した時等に行う施工途中段階の検査 |
既済部分検査 | 工事の既済部分を確認する検査、合格すれば当該部分の部分払いはされるが引き渡しはされない |
完済部分検査 | 工事完成前の指定物の検査、合格すれば当該部分の部分払いされ引き渡される |
遠隔臨場は2020年に試行され、コロナ禍の影響で急拡大し、コロナ禍後も業務効率化や働き方改革の観点から活用され続ける傾向にあります。以下は2022/10 関東地方整備局による受注者へのアンケート結果です。ほぼすべての受注者が遠隔臨場の実施を希望しています。
62% | 費用を発注者が全額負担するのであれば、継続を希望 |
30% | 費用の一部を受注者が負担するとしても、継続を希望 |
5% | 費用を受注者が全額負担するとしても、継続を希望 |
3% | 遠隔臨場を希望しない |
38% | コロナ感染予防等 |
37% | 時間の効率化(待ち時間削減等) |
12% | 突発的な事象対応(急な立会依頼等) |
9% | 作業の軽減(事前準備の対応等 |
4% | 担当者の人数(必要な担当者の削減) |
カメラと会議システムの要件
カメラ
2024年度(令和5年度)のカメラと会議システムの要件です。なお、この数値は必須ではなく技術動向等を鑑みて受発注者間にて協議の上で判断されるとあります。この要件は現在提供される一般的Web会議システムではほぼ網羅されていると思われます。VBRは可変ビットレート(Variable Bit Rate)という機能で、無線通信では広く使われているので特段留意する必要はありません。
項目 | 仕様 | 備考 |
---|---|---|
映像 | 画素数:640×480以上 | カラー |
〃 | フレームレート:15fps以上 | |
音声 | マイク:モノラル(1チャンネル)以上 | |
〃 | スピーカ:モノラル(1チャンネル)以上 |
項目 | 仕様 | 備考 |
---|---|---|
通信回線速度 | 下り最大50Mbps、上り最大5Mbps以上 | |
映像・音声 | 転送レート(VBR):平均1Mbps以上 |
会議システム
発注者の標準的な通信環境です。TCPポート80, 443はWebサイトを表示するための必要最小限の条件であり、それ以外の記載がないことから、かなり強い通信制限がかかっているかもしれない旨を示唆しています。よって、実際の環境は都度確認すべきです。
項目 | 仕様 |
---|---|
TCP | 80, 443 |
UDP | なし |
項目 | 仕様 |
---|---|
OS | Windows10 |
ブラウザ | Microsoft Edge |
アプリケーション | 原則インストール不可 |
備考
国土交通省 実施要領 令和5年度との違い
令和6年より大きく変更されました。変更点は以下記事で解説します。
撮影での留意点
撮影では「工事名・工種・確認内容・設計値・測定値・使用材料等」を黒板等を用いて表示し撮影すること、さらに、検査開始時には実施項目を、終了時には確認個所を読み上げることが求められています。騒音環境にも耐えうる骨伝導ヘッドセットは有用かもしれません。
録画機能
現場で録画できる必要はないですが、監督職員が遠隔、つまりPCで録画できる必要があります。
費用計上
遠隔臨場実施にかかる費用は技術管理費に積上げ計上します。機器の手配は基本的にリースとすべきですが、購入することも許されています。購入する場合は、機器の耐用年数に対する使用期間(日単位)割合を乗じた分を計上します。耐用年数は国税庁のガイドラインに準じます(例:カメラ・アプリケーションソフトは5年、ハブ・ルーター・リピーター・LANボードは10年)。
歩きスマホ
地方整備局や発注者によってはカメラを手に持って歩きながら撮影する行為(歩きスマホ)を禁止しています。移動しながらの撮影にはウェアラブルカメラが必須です。逆に、スマホカメラでしか撮影できないWeb会議システムを使う場合は移動しながらの撮影はできません。
プライバシー
臨場とは関係ない作業者や構造物等は映りこまないよう、プライバシーに配慮するよう謳われています。
参考文献
遠隔臨場に適したカメラとWeb会議システム
ウェアラブルカメラ
安全性の確保や、歩行しながらの撮影を考慮すると、ハンズフリーで使えるウェアラブルカメラは必須ではありませんがとても有用です。なお、遠隔臨場の現場ではメジャー(スケール、巻き尺)や検測ロッド(スタッフ、箱尺)、工事名・工種・確認内容・設計値・測定値・使用材料等が書かれた黒板を撮影する機会が多く、この手の物の撮影はウェアラブルカメラではなくスマホやデジカメのような手で持てるカメラの方が撮影しやすいです。簡単に取り外して手で持てるウェアラブルカメラや、ウェアラブルカメラ/スマホの撮影が切り替えられるようなものが便利です。
特殊機能カメラ
動き回る現場では手振れ補正カメラ、夜間工事や車載利用では逆光補正カメラ、熱の測定や暗視目的ではサーマルカメラが有用です。このような特殊な機能を備えたカメラも手に入りやすくなっています。
Web会議システム
発注者のPCへのアプリケーションのインストールは原則認められないため、ブラウザで動くことが必須です。
UDPはマルチメディア通信で重要な役割を果たす基本的な通信方式の一つで、遠隔臨場ではUDPが使えない可能性があると読み取れます。Web会議システムによってはUDPが塞がれると通信できない可能性があります。事前の動作確認やWeb会議システム開発会社への照会は必ず行ってください。
遠隔臨場の要件では転送レートは1Mbps以上と謳われています。転送レートは高ければ一般には高画質です。しかし、山間部や海沿い、地下、コンクリートに囲まれた空間では転送レートが低下する恐れがあります。300Kbps程度まで低下しても動作できるWeb会議システムが好ましいです。
ZoomやTeamsの利用
ZoomやTeams(以下、「汎用Web会議システム」と呼びます)のスマホアプリはUSBやWi-Fi, Bluetooth接続の外部カメラを認識できません。汎用Web会議システムでウェアラブルカメラを使うには工夫が必要で、不便さも付きまといます。汎用Webシステムでウェアラブルカメラを使う代表的な方法を紹介します。
- スマホをヘルメットに縛り付ける
力技です。取り付けは結構大変で、さらには画面をONにし続けないといけません。 - USBカメラの画像をキャプチャする
USBカメラアプリでUSBカメラの画像を表示し、その表示された画像を汎用Web会議システムでキャプチャする方法です。やはりキャプチャ中は画面はONにし続けなくてはならず、さらに画面を動かすことも許されません。 - Wi-Fiカメラの画像をキャプチャする
GoPro等Wi-Fi対応カメラの画像をスマホに表示し、その表示された画像を汎用Web会議システムでキャプチャする方法です。USBカメラ同様の制約があります。
専門業者のWeb会議システム(ZoomやTeams以外)
遠隔臨場や作業支援向けに開発されたWeb会議システムではウェアラブルカメラが使用できるものが多いです。それらは地域や業種に密着したものも多く、今後は使いやすく手ごろな価格のツールが増えていくと見込まれます。
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